<20>資格があれば安心か

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<20>資格があれば安心か

資格は、就職、転職に役立ちます。取っておいて損はない、それは間違いありません。では、資格があればそれだけで安心でしょうか。
もう過去の話になってしまいましたが、司法試験に合格すれば、取りあえず安泰でした。大学卒業後、10年かかっても合格しさえすれば、弁護士として高収入が約束されていたのです。しかし、最近では試験制度が変わったため、合格者も増え、「弁護士でも年収200万円」とまで言われるようになりました。しかも、合格までに時間がかかると、「社会経験もない中高年より、おなじ能力なら若い人」ということで、活躍の場もどんどん狭められてしまいます。弁護士でさえ、資格があってもそれだけでは安心できないのです。

では、資格の他に何が必要でしょうか。
それは、実務経験です。
「資格を取って一発逆転」と感がえている人には、厳しい話かもしれません(かといって、資格すら取らなければ何も始まりませんが)。特に、新卒以外の人は、資格に加えて実務経験を積むことを考えた方が良いです。

「転職するときに実務経験がないと転職できないなら、一生転職できない!」と、がっかりしないでください。実務経験不問の求人も少ないですがあります。給料は安いかもしれません。ですが、次のステップアップのための修行だと思って、とにかく実務経験を積みましょう。「これが専門です」といえる程度の実務経験を積めれば、より良い条件の転職が狙えます。また、独立開業という道もあります。

考えてみましょう。「資格はありますが、実務経験はありません」という専門家に、お客様は仕事を頼みたいと思うでしょうか。思わないですよね。独立開業するなら、転職の際よりももっと実務経験が重要になります。もちろん、その資格の仕事だけでなく、それまでの社会経験の中で実務経験を積めることもあります。たとえば、行政書士の仕事は役所の許可や確認をえる仕事なので、総務や法務部門の人は経験しているのではないでしょうか。社労士も、総務や人事労務部門の人は、同じような仕事をしているはずです。

「○○の経験は豊富にあるので、○○の分野はお任せください」と、自信を持って言えるような実務経験を積むことを目標にしましょう。そのためには、資格の勉強をしながら経験不問の事務所で働いたり、関連する部署に異動するなど、できることは色々あります。資格を取ったらそれで安心ではありません。その後の活躍のために、できるだけ同時並行で実務経験を積めるように考えましょう。